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レーザシステム

レーザ加工とは?レーザの原理、種類から仕組み、特徴を解説

レーザは多方面の分野で活用されていますが、実はさまざまな原理、種類に分類されます。本記事では「そもそもレーザ加工がどのようなものなのかよくわからない」「レーザ加工の仕組みについて知りたい」という方に向けて、レーザの概念、種類からレーザ加工機の特徴やメリット、デメリットを詳しく解説しています。是非レーザ加工機の導入を検討される際の参考にしてみて下さい。

目次

1.  レーザとは
2.  「一般的な光」と「レーザ光」の違い
3.  レーザ加工とは
4.  レーザ発振器の種類
5.  レーザ加工機とは
6.  レーザ加工機の構成
7.  レーザ加工機のメリット
8.  レーザ加工機のデメリット
9.  最後に

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レーザとは

「レーザ」は日常でもよく耳にする言葉ではないでしょうか。しかし、実際「そもそもレーザとは何か」と問われると、具体的に説明できない方もいらっしゃるかと思います。本項では「レーザとは何か」について解説していきます。

レーザとは

レーザとは「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」(LASER)の頭文字を取ったもので、誘導放出による光増幅放射を意味します。つまりレーザは「光の一種」といえますが、「光の中からひとつの波長だけを選択して、単色のみを増幅させて放射する人工的に作り出された光」です。また広範囲に広がる通常の光とは違い、一箇所に対してピンポイントで照射できるのも特徴です。

「一般的な光」と「レーザ光」の違い

前述でレーザとは「人工的な光である」と述べましたが、私たちの身近にあるランプのような「一般的な光」と「レーザ光」にはどのような違いがあるのでしょうか。本項ではそれぞれの特徴について解説していきます。

「一般的な光」と「レーザ光」の違いは大きく4つに分類されます

1. 指向性
2. 単色性
3. コヒーレンス
4. 収束性

1. 指向性

「一般的な光」は光源から光があらゆる方向へ拡散され広がることが特徴です。一方「レーザ光」は指向性が高い光が発せられ、ほとんど広がることなく光が真っ直ぐ進みます。

2. 単色性

「一般的な光」は波長のスペクトル幅が広く、複数の色が混ざり合っています。一方「レーザ光」は波長のスペクトル幅が非常に狭くひとつの色で出来ていて、単一波長の光が集まっている状態です。

3. コヒーレンス

コヒーレンスとは可干渉性と言われており、周期的に繰り返される光の波の、山と谷が揃っている光をコヒーレント光といいます。「レーザ光」は光の波ごとの山と谷がきれいに揃っていて、レーザ同士を重ね合せると山、谷の波がそれぞれ強め合い、一定の強度を保った状態になり、当たった対象へ干渉しやすい状態の光となっています。一方「一般的な光」は、光の波が揃っていない状態であり波同士で不規則に打ち消しあうため、干渉性が低いインコヒーレントな光です。

4. 収束性

「収束性」とは光の束を一点に集める性質のことを指します。「一般的な光」は、光の収束性が低いため、レンズなどで焦点を絞った場合でも、金属を切断するまでエネルギ密度に高めることは難しいです。一方「レーザ光」は特に光の収束性が高く、極小に集光させることで金属を一瞬で昇華させるほどのエネルギーを一点に集中させることが可能です。

まとめますと「レーザー光」は、単色で収束性が高く、真っ直ぐで強度の高い光であるといえます。
次項からはこの「レーザ光」を使用して加工物の物質除去、接合、表面改質を行う「レーザ加工」について詳しく解説していきます。

レーザ加工とは

レーザ加工とは

レーザ加工とは、エネルギー密度の高いレーザ光を照射し、熱エネルギーによって金属やプラスチック、アクリル、木材など様々な材料を切断したり、融解・蒸発させることで穴をあけたりマーキングしたりする加工方法です。

レーザ加工は金属・樹脂・ガラスなど多種多様な材質に対して適応が可能ですが、レーザ発振器の持つ波長によっては、加工対象に吸収されないなど向き不向きがあります。以下ではレーザ発振器の種類、及び得られるレーザ波長を整理し、各発振器(=波長)がどの材質の加工に適しているかを解説します。

レーザー発振器の種類

レーザは励起媒体の種類で大きく4つに区分されます

1. 固体レーザ
2. 気体レーザ
3. 液体レーザ
4. 半導体レーザ

それぞれ励起媒体の種類によって、レーザの波長やビーム品質に違いがあるため、目的とする加工用途により最適なレーザが異なります。以下でそれぞれの特徴について解説します。

1. 個体レーザ

固体レーザとは、レーザ媒質にYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)といった鉱石やYVO4(イットリウム・バナデート)などの固体材料を使ったレーザを総称します。体積を小さく保ったままレーザ出力を大きくすることができ、小型の共振器でも大きなレーザ出力を得ることができるのが特徴です。代表的な固体レーザには、先ほどあげたYAGレーザやYVO4レーザ、光ファイバの中心に希土類元素Yb(イッテルビウム)が添加されたファイバレーザなどがあります。またレーザ媒質が同じ固体でも、半導体を材料とした場合はかなり性質が異なるため、半導体レーザとして区分するのが一般的です。

2. 気体レーザ

気体レーザとは、レーザ媒質に炭酸ガス(CO2)などの励起媒体として気体を用いたレーザです。媒質となる気体によって、中性原子レーザ、イオンレーザ、分子レーザ、エキシマレーザ、金属蒸気レーザなどに区分される場合もあります。固体レーザなどの他のレーザと比較すると、レーザ媒質が均質で損失が少なく、共振器の構造を大きくとることができます。それにより、大きなレーザ出力を得ることができるのが特徴です。

3. 液体レーザ

液体レーザとは、励起媒質として液体を用いたレーザです。使用する媒質の特性によって有機キレート化合物レーザ、無機レーザ、有機色素レーザの3種類に大別されていますが、安全性や実用性から、一般的に利用されている液体レーザのほとんどが有機色素レーザであり、有機溶媒に溶かす色素分子によって色が変化(可視光の波長が変化)することが最大の特徴です。このように、波長可変レーザとして多種多様な分野や目的に利用できる一方、媒質の寿命が短く出力が制限されるのがデメリットです。

4. 半導体レーザ

半導体レーザとはレーザダイオードとも呼ばれ、固体レーザの中でも特にⅢ-Ⅴ族半導体、またはⅣ-Ⅵ族半導体を使ったレーザです。小型の装置で大きなレーザ出力を得ることができるのが特徴で、光通信や医療、加工技術など幅広い用途で使用されています。
様々な用途につかわれることから、関連デバイスなど構成を組み替えることにより、CW駆動やパルス駆動、受光側による同期や変調など、それぞれ目的に合った使い方をすることが可能になります。

以上がレーザの種類とそれぞれの特徴になります。目的とする加工用途により向き不向き、最適なレーザが異なりますので導入を検討される際は十分な確認が必要です。それでは実際にレーザを照射することによって素材を加工するレーザ加工機の仕組みと構成について説明します。

レーザ加工機とは

レーザ加工機とは

レーザ加工機は、指向性(直進性)が高い、収束性が良い、エネルギー密度が高いレーザ光をレンズなどで集光することで焦点付近のエネルギー密度を増大させ、材料へ照射することによって融解・蒸発させる設備です。

レーザ加工機の仕組み

レーザ加工機では、レーザ発振器によって発生したレーザ光が反射ミラーなどを介して伝送されます。伝送されたレーザ光は集光レンズによって収束され、レーザヘッドから材料に照射されるという仕組みになります。

レーザ加工機の構成

レーザ加工機の構成は、大きく3つに区分されます

1. レーザ発振器系
2. 加工光学系
3. 加工物質系

1. レーザ発振器系

レーザ発振器系は、光を発振します。これは、ランプなどの励起光源をレーザ媒体(固体や気体)に照射、吸収させることによって、発光した独自の光を共振器ミラーで反射させて何度も増幅させ、レーザ光を発振する仕組みです。レーザ加工時には、出力、波長、パルス幅、発振モード(連続波・パルス波)などの条件を決定します。

2. 加工光学系

加工光学系は、レーザ発振器で発生させたレーザ光を集めて、テーブルに照射する仕組みです。レーザ発振器からレーザ光を伝送する光路と、伝送されたレーザ光を集光して対象物へ照射する集光系で構成されます。伝送するタイプには、反射ミラーを利用するタイプと光ファイバを利用するタイプがあります。

3. 加工物質系

加工物質系は、対象物を固定するテーブルと加工物のことです。レーザ加工では、加工物の反射率、吸収率、透過率などの光学的な性質や熱的性能が仕上がりに影響します。そのため、照射位置を移動しながら加工する場合、集光系やテーブルを制御する駆動システムが必要で、精密な加工では適切に速度設定を行う必要があります。尚、加工物質系の代表的なものとして「ステージ方式」と「ロボット方式」があります。
「ステージ方式」は、レーザを固定しステージで加工位置を移動する方式です。早く素早く、動かすことができる為、生産性向上の点でメリットがあります。一方「ロボット方式」は、プログラムを組むことで、プログラム通りの動きを3次元で再現してくれます。例えば溶接作業の場合、作業者の技術や培われた勘によって仕上がりの質にバラつきができてしまいますが、プログラム通りの動きをひたすら無駄なく作業する為、安定した品質の向上を保つことができます。

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当社では貴社で生産している加工対象の形状や目的としているレーザ加工の特徴に応じた加工機のご提案が可能です。


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レーザ加工のメリット

最後に、他の溶接工法と比較した場合のレーザ加工のメリットをご紹介します。

レーザ加工のメリット

1. 加工の自由度の高さ
2. 微細で複雑な加工に適している
3. 材料の変形を最小限に抑えられる
4. 超硬金属、硬脆材料の加工が可能
5. 作業効率が良い
6. 安定した品質を得られる
7. メンテナンスの手間がかからない

1. 加工の自由度の高さ

レーザ加工は切断だけではなく、材料の表面を浅く削って文字や模様をマーキングしたり、素材を深く削って彫刻したりと、さまざまな加工ができるのが特徴です。また、金属のように固いものから、皮革、生地などの柔らかいものまで、さまざまな種類の素材に対して、発振器の種類やレンズ構成、その他レーザ条件を最適に選定すれば加工できます。

2. 微細で複雑な加工に適している

集光性が高いレーザは、出射光学系によって小さく絞ることが出来るため、微細な個所への照射によって、精密な切断や溶接が可能です。また、曲線や3次元形状であっても、加工機や治具を用いて、形状に沿うように照射ができれば、安定して高精度で多種多様な形状に切断・溶接などレーザ加工が可能です。

3. 材料の変形を最小限に抑えられる

極めて狭い範囲にレーザ光を照射するので、熱の影響による変形を抑制できます。そのため、薄板の精密加工などに適しています。

4. 超硬金属、硬脆材料の加工が可能

レーザ加工は、加工対象に触れずに加工を行う非接触加工のため、レーザ光が吸収する材質であれば、材料の固さに関係なく加工が可能です。また、セラミックなど脆い材質に対しても、レーザの出力や照射時間などを調整することで、他材質と同様に加工ができます。

5. 加工作業中の効率が良い

レーザ光は、他の熱源(熱加工)に比べると高エネルギーで、且つ熱を集中させられるので入熱効率がよく、他工法に比べると素早く加工対象を溶融させることができます。その為、切断、表面処理などで加工速度を上げることでき、全体の生産効率を上げることができます。例えばプレスで切断する場合は金型が必要ですが、レーザを用いた切断であれば、非接触加工ため金型が不要となり、切断形状を変える際に金型を交換する手間の削減や金型の管理の必要がなく、プログラムを作成し一度データを入力すれば、連続して均一な製品を大量に生産することができます。

6. メンテナンスの手間がかからない

レーザ加工は材料と工具が接触しない非接触加工のため、他の加工法のように刃物や研削盤などの消耗がなくメンテナンスに手間がかからないのが特徴です。レーザ加工の定期メンテナンスは、ミラーやレンズなどの出射光学系や、治具周りの清掃をする程度で交換作業も必要ありません。その為、生産効率の向上にもつながります。

7. 安定した品質を得られる

レーザ光は、風や温度の外的要因を受けにくく、同じ条件・同じ箇所で溶接していれば、各加工の品質は安定しやすくなります。加工機や治具によって、加工対象が常に同じ位置になるように設計することで更に安定した加工ができます。

レーザ加工のデメリット

レーザ加工には、他の溶接工法と比較した場合のデメリットもありますので紹介します。これらは様々な導入実績のある専門会社に相談すれば解決しますので、導入を検討される際は一度相談すると良いでしょう。

レーザ加工のデメリット

1. イニシャルコストが高い
2. 希望の加工結果を得るにはノウハウが必要
3. 生産用途の障壁

1. イニシャルコストが高い

他のTIG溶接やアーク溶接、プレス工法などと比べて比較的金額が高いです。

2. 希望の加工結果を得るためにはノウハウが必要

ご希望の加工品質を得るためには、発振器、出射光学系の選定、レーザ出力や加工速度などの多種パラメーターの調整などレーザ加工についてのノウハウが必要です。

3. 生産用途の障壁

レーザ条件が出た後にその加工を安定させるための、また安全を維持しながらの生産ができるような装置・治具設計の必要があります。また加工対象の形状を考慮した加工機選定が必要です。その為、レーザ加工機の導入を検討される際は、以下を踏まえた設計・準備を行う必要があります。

・加工対象の形状や材質にあわせて装置の選定をする
・安全対策のために加工装置に囲いをする
・加工品質の安定のための装置設計を行う

これらのデメリットは、専門的なノウハウを持つ企業に相談することで解決します。
レーザ加工機の導入を検討される際は、一度専門会社に相談すると良いでしょう。

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最後に

本記事では、レーザの基本的な知識からレーザ加工の特徴やメリット、デメリットについて解説しました。レーザ加工機自体は従来から利用されている生産設備ですが、ファイバレーザ加工機の普及をはじめとした技術革新が今も進んでおり、レーザ加工で対応できる範囲は広がっています。またレーザ加工機の導入には、専門的な知識やノウハウがなければ希望される加工品質や安全性の保証ができない為、予め専門会社に相談する必要があります。「さらにレーザ加工について理解を深めたい」「レーザ加工機の情報を収集したい」「レーザ加工機の導入を検討したい」「作業をより効率化したい」など考えられていらっしゃいましたら、まずはお気軽に当社へお問い合わせ下さい。

レーザ加工機を導入される際は弊社へご相談下さい

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